ちょっと前に子どもの通う小学校の記念誌作成に携わったので、そのやり方とか流れみたいなのを共有しようかなと思います。今回はまず予算決めについて。始めに予算をがっちりと決めておかないと、後からお金が足りないとか、ページをもっと増やそう減らそうと言った意見に振り回されることになってしまいますからね。
予算を決めるにあたって必要なのは、記念誌の仕様です。そのほかに、まああればですけれど、写真撮影代とか、業者に頼んでイラストとか載せるならその分も見積らなければいけません。
記念誌の仕様を決める
具体的に言うと、サイズ、部数、ページ数、紙質あたりでしょうかね。これらをはっきりさせた上で、印刷会社などに見積もりを依頼します。
サイズ
普通はA4サイズかと思います。学校で配られるプリントも大体A4サイズですからね。けれども、例えばハンドブックみたいにしたいとか、もっと大きな新聞のような体裁にしたいとか、そういうのがあれば事前に決めなければならないです。
発行部数
基本は過去の実績を参考にすれば間違いはないでしょうけどね。ただこれまで記念誌作ったことがないとか、後は過去に比べて児童数が大きく変わったなんてことがあるなら、再度部数について検討し直さないといけません。
検討材料は以下かなあと。
- 実家庭の数
- 寄稿をお願いする人の数
- 記念式典があるならその来賓の数
- お世話になっている地域の人
お世話になっている地域の人とは、例えば各町内会会長とか、学校近くで旗を持って立っててくれる人とか、ボランティアの人とか、あとはよく子どもが立ち寄る文房具とか体操着とか売ってるお店があるなら、そう言うところに配っても良いかもしれません。他には月初とかに道路に立ってる警官の管轄の警察署とか、交番が近くにあるならそっちでしょうかね。
単に配ると言うかは、これからもよろしくお願いしますね、という意味も込めての配布だと思えば、色々と想像がつくかもしれません。他にどんな人にお世話になっているか、学校の先生に確認すると良いでしょう。本当にそう言う人たち全部に配るかどうかはともかく、少し多めで見積もる方が良いですから、とりあえず考えられる分は全て洗い出して部数を検討すると良いと思います。
ページ数
次はページ数です。正直ページ数を決めるとなると、まず中身を決めなければと考えがちですけれど全くそんなことはなく、どちらかといえばまず先にページ数を決める方が大事です。ページ数を決めないうちに内容を考えようとすると、どんどんアイディアが出てきたり、あるいは記念誌の担当者以外の意見が入り込みやすく、また通りやすくなってしまうからです。外から言いたいことだけ言ってきて何もしないというパターンが一番始末に負えないですからね。
ページと予算の関係であなたの意見は反映させられません、ときっぱり言うためにも、先にページ数を確定させて、予算をはっきりさせるべきなのです。
さて、ではどのくらいのページボリュームが良いかというと、まあ一番は過去実績を参考にすることですね。その上で過去と現在の児童数等の差なども考慮して決める、と言ったところでしょうか。私が記念誌を作る時は周囲の学校の最近の記念誌ページ数を参考にしました。
児童数 |ページ数
200人 |32ページ
400人 |40ページ
800人 |72ページ
ただし、児童数500人くらいの学校でカラー8ページの記念誌というのも見たことがありますのでそういうのも考慮しても良いかもしれませんね。
紙質
業者に見積もりを出す際に、紙質は必須です。まあ「記念誌作りたいんで紙質提案してください」って言えばいい感じのおすすめを提案してくれるとは思いますけれど、一応こんなもんなんだって頭に入れておくと、業者とのやりとりが少しスムーズになるかもしれません。
まずは表紙。小学校の記念誌だと、ちょっと肌触りの良いくすんだ感じの色の厚紙を使っていることが多いように思います。カラーでなくてモノクロ印刷で、学校のシンボルマークだったり、希望とか未来とか言葉が印字されてるのもよく見ますね。
あと表紙をめくると大体写真が載ってたりします。学校の外観だったり、全校児童を写した空撮写真だったり。そういうページが2〜4ページはさまることが多いですかね。
それと本文の紙。大抵はツルツルの紙ですね。あまり厚くはないけれど、触り心地は良い、みたいな。
参考までに、私が記念誌作成に当たって採用した紙質を列記しておきますね。
- 表紙:レザック一般色130K 片面黒一色
- 巻頭:コート紙73K カラー
- 本文:コート紙73K 黒一色
スケジュール
いつ頃出来上がって欲しいのかを明確に伝えることが大事です。今年中の話なのか、来年の話なのか、もっと先なのか。
入稿方法
入稿方法の確認も大事です。イラストレーターなどのデータを作成する必要があるのか、ワードやエクセルのデータで入稿するのか、手書きの原稿用紙を渡せばそれを元に誌面構成してくれるのか。業者によってはデザイン料を取るところもありますし、簡単なデザインなら印刷料金に含めてくれる場合もあります。
デザイン料を取るような業者にだったら、デザインについてある程度無茶を言っても良いかと思います。利用者の想いを汲み取ってデザインを組むことが料金のうちに含まれる訳ですから。逆に簡単なデザインなら印刷料金に含めてくれるような業者を選ぶ場合は、あまりデザインに無茶言ってはダメです。あくまでも最低限のサービスであることをちゃんと理解しておかないとですね。
納品場所
多くは学校に一括で納品となると思いますけれど。もし一部は分校にとか、ないとは思いますけれど業者から直接各家庭に郵送して欲しいとかがあれば、事前にその旨伝えておく必要があります。
業者に見積りを取る
業者に見積りをお願いします。先に紹介した条件をしっかりと伝えて、必ず複数社にお願いします。見積り条件が揃ってないと金額の比較ができないですから、事前にある程度仕様を決める必要があった訳ですね。ちなみに業者によっては倍くらい金額が違ったりしますから、3〜5社くらい見積りお願いするのが良いと思います。
金額が違う理由としては以下が考えられます。
自前で印刷設備を持っているか
印刷所で検索して業者探しているなら問題ないんですけどね。「記念誌 業者」で検索したりすると印刷設備自前で持っていない広告代理店とかが引っ掛かってきたりして、そういうところだと印刷は他の業者に頼むことになるので、その分費用に上乗せしないと会社が儲からないんですよね。
デザイン料別
これは良し悪しかなと思います。すごくデザインに凝りたいならデザイン料別で払った方が断然いいものが出来上がりますからね。
コンサル料
業者によってはコンサル料を取ろうとしてくるところもあります。これは記念誌のページ割りどうしようとか、どんな内容にしようとか考えるのが面倒くさい、大変という人向けです。企画会議から業者が入ってくれて、色々と進めてくれます。周年企画のメンバーに扱いが厄介な重鎮がいるとか、なんか周年企画のメンバー以外でお伺いを立てなければいけない組織や存在があるという場合には、これらのサービスを利用すると便利ですね。その分金額は跳ね上がりますけれど。
その他かかる金額を算出する
他に検討しなければいけないものとしては、写真撮影とか、記念誌に載せるイラストとか、あとは大量に郵送するならその分の試算も必要です。
写真撮影
よく校庭に集まって空から写真撮影するのとかありますよね。その場合、何を見積もる必要があると思いますか?まずは当然写真を撮る人の手配ですけれど、空撮となるとドローン使える業者を選定する必要があります。またドローンを飛ばす際に申請を出さなきゃいけないらしいですからね。そういうのもちゃんとやってくれるか確認が必要です。ネットで探すのでもいいですけど、学校お抱えの写真館さんがあるかと思いますので、そこに相談してドローン使える業者さん紹介してもらう方が確実かもしれません。
イラスト素材など
フリーで使用できるイラストがあるからいいじゃないと思うかもしれませんけれど、よくよく規約を読んでみると意外と利用が制限されている場合が多いです。特に多いのは商用利用は別途料金化かかると言ったもの。記念誌の場合商用利用には当たらないですから問題ないでしょうけれど、どこでどんな規約に引っかかるか分からないですからね。場合によってはイラストレーターさんに頼むのもありかと思います。
見積りが出たら決済を取る
最終的に、各業者から上がって来た見積もりをもとに予算を確定します。ここで注意なのが、決してなあなあにしないことです。この仕様でこの金額がかかります、記念誌の予算としてはこうなります、とはっきりしなければいけません。そうでないと後々トラブルになりますからね。
できれば関係者が集まる場で、事業の責任者、例えば記念誌制作委員会委員長とか、周年事業実行委員会委員長とか、場合によっては校長や教頭にも詳細共有しておく必要があると思います。
でないとですね、ある程度企画が進んでから「こんなにお金がかかるのか」とか「もっとページ増やさないと」とか出てきちゃう可能性があるんですよ…。
まとめ
小学校の記念誌づくり、予算確定までの道のりについて語ってみました。多くの人が関わってくるので、いろんなことを明確にしながら進めないと怖いですからね。
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