先日とあるタスクチームではじめてサブリーダーを務めることとなった後輩がションボリしているのを見かけました。なんでもリーダーがあまりに有能で、サブリーダーとして何もできてないというのです。
今回はそんなリーダーとサブリーダーの資質と役割の話です。
なんでも1人でやってしまえるリーダー。
上の件で、リーダーを務めるのはもともと社内でも人脈があり、行動力も決断力もある優秀な大先輩です。ただなまじなんでも1人でできてしまうために、すべて1人でやってしまっているようなのです。
もちろん適材適所で仕事は振るし、その分配についても決して悪くはないようです。ただ、そのサブリーダーの後輩も他のスタッフと同じように仕事を分配されるものですから、サブリーダーとして意味があるのかと凹んでしまっていたのです。
リーダーの役割とは。
リーダーの役割については、すでに数え切れないほどの本が出版され、それ以上に多くの記事がネットに溢れています。どれが正解不正解というものはなく、その状況に応じて様々な役割が求められているということを理解していなければいけないでしょう。
リーダーに求められる役割についてよく言われているものを以下に挙げています。
- 方向性を示す
- 環境を整える
- トラブルに備える
- 役割を担わせる
- タスクの進捗を管理する
- メンバーのモチベーションを上げる
- 次世代の人材を育てる
- 模範となる
意外と抜けてしまう「育成」のこと。
タスクチームのリーダーはどうしてもそのタスクの進捗にばかり目が行きがちと言われています。方向性を示す、環境を整える、役割を担わせるなどタスクの進捗に必要な項目については注意せざるをえないので抜けることがないのですが、直接タスクに影響が見えにくい人材育成などは、どうしても見落としがちになってしまうのです。
実はリーダーには狙いがあった
実のところ、この後輩には誤解がありました。このサブリーダーを務めることとなった後輩からよくよく話を聞くと、彼の与えられた仕事はまさにサブリーダーが担うべき仕事だったのです。
実はリーダーは的確に役割を振っていました。ただことの問題は相応の役割を与えられてなかったというよりも、その役割の意味をしっかりと話していなかったことなのだと思います。
次世代リーダーの育成において大事なこと
1番大事なことは、リーダーとサブリーダーがよく話し合うということです。振った役割の意義や仕事の必要性のほかに、現在リーダーである自分が何を考えているのか、サブリーダーに何を求めているのかなど、共有する必要があるでしょう。
またリーダーは、サブリーダーが何を考えているも吸い上げなければなりません。例えば今回のように、今の仕事についてリーダーの意図を汲み取れておらず仕事の意義を感じてないなんてのは、非常にもったいないことです。
また振っている役割が、リーダーにとってはなんてことないものだったとしても、サブリーダーにとっては負担に感じていて、不満につながっている可能性もあります。なんにせよ、お互いの考えていることを、お互いがしっかりと理解しようとする姿勢が必要です。
それから。
今回の件では、のちにリーダーの先輩がサブリーダーの後輩と飲みに行って、いろいろ話したと聞いています。どんな話だったかはわかりませんけれど、その後サブリーダーの後輩はだいぶ晴れやかな顔をしていました。
次世代のリーダー育成において起こるトラブルの多くが、この「よく話をしているかどうか」に関わっているとも言われています。逆にいうと、お互いがしっかりと価値観と情報を共有しておくことが、次世代のリーダーうまく育成するコツだとも言えるかも知れません。
コメント