この間花粉症対策の話の中で「花粉に体を慣らしていく治療を行なっている」と書きましたが、今回はその治療について詳しく紹介します。毎日投与しなければいけないという手間はありますが、その分花粉症の季節の症状軽減力は相当なものでした(もちろん効果には個人差があるといいますので、私がたまたまよく効く方だったということなのでしょうが)。
少なくとも春のスギ花粉の季節にアレグラやザイザルといったアレルギーの薬を飲む必要がなくなりましたし、マスクすら必須ではなくなりました。今まで常にティッシュとおともだちで、鼻が赤くならない日はなかったほどなのが、今やティッシュとの関係もだいぶ疎遠になってきたと感じます。
ということで今回は私が受けている舌下免疫療法についての紹介です。
舌下免疫療法を受けることとなった背景。
スギ花粉の時期は地獄の苦しみ。
私が花粉症になったのは社会人2〜3年目くらいの頃です。その頃はそこまで酷くはありませんでした。せいぜい、スギ花粉の季節になるとちょっと鼻水が出るなぁ、くらいで…もともと万年鼻炎気味でもあったので、そこまで気になるほどではなかったというのもあります。
ただそれがある時を境に急に症状が重くなります。どれだけかいでも鼻水は常に洪水状態で、目のかゆさも尋常じゃありません。
薬を飲み、目薬を刺し、鼻の穴や目の下にイオンでブロックするという塗り薬を塗り、さらに顔全体に花粉除けのスプレーをかけ、マスクを二重にしたその中で鼻にティッシュを詰めるという、やれることはすべてやり尽くしてもなお辛い、そんな状況でした。
仕事は営業職。
ちなみに私は営業の仕事をしておりまして、取引先の相手からもだいぶ心配されるわけなんですね。マスクしていることについてはそこまで何か言われるというのはないですが、気を使わせてしまうというのもありますし、私自身そんな状態で相手に物を売り込むというのはなかなかきついというのもあります。
マスクで隠しているとはいえ、鼻の穴にティッシュを詰めている状態で取引先と話しているというのはなんとも気まづい気分になってしまいます。
これまでも何度かパンフレットは目にしていたものの…。
いつも花粉症でお世話になっている近所の耳鼻科に舌下免疫療法のパンフレットが置いてあるんですね。何度か手に取って見てはいたのですが、見るのはたいていスギ花粉真っ盛りの時期です。
そしてパンフレットにも書いてあるのですが、この舌下免疫療法を開始することができるのはスギ花粉が収まった頃なのです。つまり、気になって手に取った頃には治療は開始できず、スギ花粉が収まって治療できる頃には、そもそも耳鼻科に行かなくなってしまう、そんなダメパターンでした(実際のところ私の花粉症はスギだけではなく夏から秋にかけても様々な花粉にやられてしまうので、割といつも鼻水は出ているのですが、スギ花粉の時期ほど酷くはないので、スギ花粉の時期以外あまり医療機関を受診しないのです)。
スマホのスケジュールでリマインドアラームをかけておいた。
そんなわけでなかなか舌下免疫療法を受けるところまでいかなかったわけですが、さすがにこれはダメだと自分で思ったのですね。とりあえずやれることはなんでもしっかりと試したい、そんな思いで、どうにか舌下免疫療法を受けられるようにしようと、スマホのスケジュールアプリでリマインドのアラームを設定しました。
だいたい7〜8月くらいから治療を開始できるということだったので、7月末にアラームをセット、強制的に思い出すよう心がけたのです。
舌下免疫療法開始。
まずは確定診断を。
この舌下免疫療法を行うにあたり、確実に杉花粉による花粉症であることが証明されなければいけません。証明にあたっては血液検査を行います。
どうやらアレルギーの検査は1回の採血で複数のアレルギーを調べることができるようです。スギなどの植物の他にハウスダストや犬猫といった動物のアレルギー、卵やそばなどの食べ物のアレルギーも調べることができます。
ちなみに私はスギやヒノキの他にダニ、ハウスダスト、猫や犬、蛾に対してもアレルギーがあったようです。意外とブタクサやヨモギなどにはアレルギーはなかったようです。
導入。
確定診断がついたらとうとう治療開始です。初めに先生から薬の説明を受けます。
服用後まれに強いアレルギー反応があり(息が苦しくなったりぶつぶつができたり、変な汗が出てきたり、症状は人によって様々なようです)、その時は救急車を呼ぶなどの対処が必要と言われます。頻度はそう多くはないようですけど。
ちなみにはじめは少ない用量から始めて、後から用量を増やすようですが、正直少ない方も多い方も錠剤の見た目はそれほど変わりません。シートの色が違う(1週目が黄緑色、2週目以降が青です)ので間違えるということもあまりないでしょうが、一応注意が必要です。
飲み方がちょっと特殊。
この薬はただ水で飲み込めばいいというものではないようです。舌下というだけあって、舌の下に入れて1分待機、その後ごっくんと飲み込むとなっています。
舌の下に入れてすぐ溶けるので感触が分かりづらいですが、1分経つまでは飲み込んではいけません。溶けた薬が舌の下で吸収されるのを待たなければ効果がないからです。
あとはひたすら継続を。
あとはとにかく、忘れないようにひたすら続けていくだけです。続けることがなによる重要とのことなので、私は部屋と玄関と、それから会社の車にも入れています…忘れても、どこかで思い出して服用できるようにです。
ちなみに、3年くらいは継続する必要があるとのことです。
舌下免疫療法を行なった結果。
まだ始めて1年半しか経っておらず、投薬を始めてからスギ花粉の季節も1シーズンしか経験していないのではっきりとはいえませんが、少なくとも今年のスギ花粉の季節には、ほとんど花粉症の症状に悩まされることがありませんでした。アレルギーの薬を飲むことはなかったですし、マスクも花粉除けのスプレーも必ずやらなければいけないという感じではありませんでした。
実はこれ、私にとってはものすごい感動でした。マスクも鼻ティッシュもない状態で春の暖かい陽気を感じることができるなんて、思ってもいませんでしたから。
舌下免疫療法をやってみて感じたことまとめ。
重度の花粉症でしたが、舌下免疫療法を行なって劇的に花粉症の症状が改善しました。これは人によって個人差があるので、行なった人全てがこのような結果を得られるかというと、決してそうではありません…「効く人もいる」の中に、たまたま私が入っただけということです。
それでも、ここ10年くらい花粉症に悩まされてきた身としては、非常に感動的な治療でした。まさかスギ花粉舞い散る春の季節にマスクなしで過ごせる日が来ようとは夢にも思っていませんでしたから。
導入についてもさして難しくはありません。血液検査で確定診断をつけて、そのあとはただひたすら毎日忘れずに服用をすればいいだけですので。
ただ最初に1週間だけ飲む薬が違うのと、舌の下で溶かして1分待たなければいけないというところだけ注意が必要です。けれども逆にいえば、注意事項などその程度なのです。
もし今花粉症に悩まれている方がいらっしゃるのなら、もちろん効くか効かないかは個人差があるので保証できませんが、まずは1度試してみる価値はあると思います。
コメント